先生のSTORY

国際食料情報学部
食料環境経済学科

野口 敬夫 先生

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食料環境経済学科

野口 敬夫 先生

Tokyo Nodai Story
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多様化・複雑化する「食」の社会を 俯瞰的に捉える

「農場から食卓まで」フードシステムの実態と課題を研究

安全・安心で美味しい食べ物を安定した価格でいつでも誰もが得られるにはどうすればよいか。この課題を考えるために、食料の生産、加工、流通、消費に至る一連の流れを「フードシステム」として体系的に理解する必要があります。食料環境経済学科では、食品企業で商品開発したい!という学生が比較的多いですが、そのためには、より安く、より品質が良い食品を供給するための流通や企業行動だけではなく、消費者のニーズや、商品の原料となる農産物の生産や地域ブランド等も知る必要があり、生産から消費に至るまでフードシステムとして体系的にみることが重要となります。

 

私は農業貿易の自由化がフードシステムに及ぼす影響や対策を主な研究テーマとしています。2018~2020年の間にTPP11、日米貿易協定が発効され、これまで以上に貿易自由化が進められる中、最も大きい影響を受けるとされたのが牛肉・豚肉等の畜産物です。日本の畜産業を維持するために、生産者・メーカー・販売会社は競争力向上を目的としたコスト削減、商品開発、ブランディングによる新たな価値の創出、その商品に見合った販路開拓などの戦略を進めており、このようなフードシステムの実態と課題等について研究しています。

 

因みに、研究室に所属する学生たちの今年の共同研究テーマは「新型コロナウイルス感染症がフードシステムに与えた影響と対応」です。フードシステムに関する研究テーマは地域密着型のものからグローバルなものまで、非常に幅広く存在します。より多様化・複雑化する社会の中で、食を取り巻く様々な要因を「俯瞰」して全体を見通し、どこに問題があるのかを発見できる力を育てていくことが重要になるでしょう。

 

 

 

自主性を重視した実学プログラムを提供

食料環境経済学科の専門は社会科学のアプローチではありますが、机に座って文献等を読む座学だけでなく、現場に出てその現状や課題を深く理解する実習・研修に力を入れています。大学1~3年における3段階の現場体験や地域の活性化を目指す山村再生プロジェクトに加え、学生が社会(企業、行政、地域、生産者、農業団体など)と共に新しい価値を創造しようとするプロジェクト「Bridge」を進めています。このBridgeは学生が自主的に企画したプロジェクトを、学科が支援するというものです。学生が若い発想や行動力を活かして商品開発や販売企画などを自主的に提案したり、農家や企業の方々と対話しながら作業したりと、現場で能力を発揮している姿はとても生き生きしていて、その自立心にこちらも心が動かされます。大学の講義や机上での学びを、実際に行動することで、肌で感じる姿勢を大事にしてもらいたいと思います。

 

また、本学科は全国的にも珍しく、1年次から必修でゼミがあるだけでなく、研究室に入ることもでき、教員の指導のもと先輩・後輩と共同研究を行うことで、より早く学問の最先端に触れることができます。東京農業大学は専門性の高さ、研究分野の幅の広さが大きな特徴ですが、農業経済学分野を見てもスタッフ数が多く、多様な興味・関心に細やかに対応できるのではないかと思います。

 

「食」は人間が生きていくうえで不可欠であり、農業や食品産業は決してなくなることがない重要な産業です。学生の中には興味関心が明確な人もいれば、学びを通してやりたいことを考えていく人も少なくありませんが、どちらも実際に行動してみることでわかることは多いと思います。研究室、学生団体、インターンシップ、留学、ボランティア等、積極的に行動し、また、行動する中で出会う多様な価値観を持った人たちとコミュニケーションをとり、視野を広げてもらえればと思います。

 

・実習にてヤーコンの収穫作業を行う学生たち。

・「実習などで学生が現地に貢献しようと自主的に動く姿をみるとうれしくなる」と野口先生。

Profile

野口 敬夫 准教授

国際食料情報学部 食料環境経済学科 フードシステム研究室

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