在学生のSTORY

国際食料情報学部 国際農業開発学科
草ストローブランド「HAYAMI」代表

大久保 夏斗 さん

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国際食料情報学部 国際農業開発学科
草ストローブランド「HAYAMI」代表

大久保 夏斗 さん

Tokyo Nodai Story
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草ストローで日本とベトナムをつなぐ会社を大学2年で設立
プラスチックごみの削減と自然循環型農業を目指して

ベトナム産の草ストローを広めるために試行錯誤の日々

サッカーに夢中だった高校時代、ウミガメの鼻にプラスチックが刺さっている映像を見てとても衝撃を受け、「世の中でこんなことが起こっているのか!」ということを知りました。海洋プラスチック問題について、自分も何か行動しなければと感じてはいたものの、具体的にはどうしたらいいのかわからず、高校生活はアクションを起こせないまま過ぎてしまいました。

 

大学生になり、バックパッカーで海外を周遊していた3歳年上の兄から「ベトナムにこんなものがあったよ」と教えてもらったのが、レピロニアという植物から製造された「草ストロー」。当時はまだベトナム国内でも販売され始めたばかりでしたが、これを日本に広めたいと考えるようになりました。

 

最初は何から始めたらいいかもわかりませんでしたが、インターネットで会社設立の仕方を検索し、飲食店にサンプルを送付して意見をフィードバックしてもらう、といったことから地道にスタート。大学2年生の5月に、兄と合同会社「HAYAMI」を設立。現在はベトナム人スタッフも加えた3人で、プラスチックの削減だけでなく農業を通してベトナムの人々と協働する途上国支援を行っています。

 

設立当初の目標は「草ストローを全国で200店舗に導入してもらうこと」でしたが、会社を立ち上げて1年半でその目標を突破。最初は不安もありましたが、実際に使用した飲食店の方々から「紙ストローより使いやすい」といったご意見もいただけて、手ごたえを感じ始めています。

 

草ストローを持続的に販売していくためには、やはり生産してくれるベトナムの方々との関わりがとても重要です。国際農業開発学科の普段の授業で学ぶことが、事業で生かされることも多く、「コロナ禍が落ち着いたらこんなことにも取り組みたい」などと、さらに発想が膨らんでいます。

 

そして草ストローは使用後、ごみになるのではなく、堆肥や家畜の餌などに利用することもでき、最終的には自然に還すことができます。プラスチックごみの削減以外にも、地球環境を守るための自然循環型の農業にも貢献できたらと考えています。

 

 

 

素晴らしい環境をどう生かすかは自分次第。最初の一歩を踏み出して!

私は幼い頃から農業や自然がとても好きで、兄の影響で国際関係にも関心がありました。そこで「農業×国際」を学べて、長い歴史もあるという理由から東京農業大学に進学しました。

 

草ストローの普及活動を始めてから、農業環境科学研究室の先生に声をかけていただき、草ストローに興味を持つ企業とつないでいただいたのがきっかけで、3年生から農業環境科学研究室に所属しています

 

研究室では自分の興味のある「農業」と、会社として取り組んでいる「環境」がマッチした研究をしたいと考えています。今は先輩方の研究を見たり学んだりしながら、自身の卒業論文の研究内容を検討しているところです。テーマ選定にはまだ悩み中。ごみ減量の側面から食品廃棄物の農業利用の研究などに興味をもっています。

 

今は事業を通じて、様々な企業・個人の方とやりとりをさせていただく機会があるのですが、話してみると農大出身ですという方が本当に多いです。「農大OB・OGってどこにでもいるんだな!」と驚くくらい、農業や食の領域を超えて様々な分野で活躍されている先輩方がたくさんいます。親身なアドバイスや支援をいただくこともあり、農大の絆やつながりの強さを感じますね。

                             

OB・OGの先輩方だけでなく、共に東京農業大学に通う同年代の仲間からも刺激を受けることがたくさんあります。学内には私と同じように起業している学生が何人かいて、情報交換をすることも。皆、強いパッションを持った人ばかりで、お互いに高め合える大切な存在です。

 

また、様々な国から来ている留学生の友人たちのおかげで、自分自身の国際的な視野がさらに広まったようにも思います。英語の勉強への意欲がものすごく高まりましたし、韓国やインド、フランス、ドイツ、メキシコ、ブラジルなど様々な国の文化や考えを知ることはとても楽しく、刺激的です。

 

留学生の友人たちの影響で、コロナ禍の今、まだ先の状況はわかりませんが、メキシコへの海外留学を考えています。将来は大学院進学を視野に入れながら、就職するか、会社経営をメインにやっていくか、まだ進路は明確に定めていません。どちらにしても草ストローを広めて、プラスチックごみから環境を守る活動は今後も続けていきたいと考えています。

 

東京農業大学に通ってみて感じているのは、みんな思いやりにあふれた人ばかりだということ。いろいろな個性をもった人がいますが、好奇心がある人の熱い思いを決して否定することはないし、いじわるな発言をする人も私の周りにはいません。やりたいことがあれば所属学科や研究室を超えて、先生方はみなさん協力をしてくれます。刺激を与えてくれる留学生の仲間がいて、興味があることを研究するための設備も整っています。

 

でも、この素晴らしい環境をどう生かすかは自分次第。自分で最初の一歩を踏み出さなければ、扉は開けません。大学4年間で自分から何もしないのはもったいない!本当にちょっとしたきっかけがあれば、誰もがウェルカムに受け入れてくれるはずです。受験生のみなさんには、ぜひ自分から新しい世界に飛び込んでいく勇気をもって、東京農業大学に進学してもらいたいと思っています。

 

・大久保さんの会社で販売しているベトナム産の草ストロー。

・事業が忙しくても学業を疎かにしないのがポリシー。留学を視野に英語の勉強にも力を入れています。

Profile

大久保 夏斗

国際食料情報学部 国際農業開発学科
草ストローブランド「HAYAMI」代表

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