在学生のSTORY

地域環境科学部 生産環境工学科
バイオロボティクス研究室
株式会社うつせみテクノ代表

秋山 大知 さん

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地域環境科学部 生産環境工学科
バイオロボティクス研究室
株式会社うつせみテクノ代表

秋山 大知 さん

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Tokyo Nodai Story
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食品ロスを活用した昆虫生産システムの開発によって、 食・農業問題の解決を目指す

食・農業問題を「昆虫食」で解決するという斬新なアイデアに触発されて

私は現在、「昆虫食による食品ロスの解決」に取り組んでいます。具体的には、捨てられてしまう未利用資源を雑食性である昆虫(コオロギ)の餌として再設計し、代替タンパクである昆虫食を普及することによって、環境にやさしく持続可能な食糧生産システムを構築できればと考えています。それと同時に、食用昆虫生産の省力化を目指し、AIやCAD・3Dプリンターを活用して、自動生産システムなどの作成も行っています。

 

当初はスマート農業(植物工場)に関心があり、食・農業問題をロボティクスの技術をもって解決できればと考えていました。そこで生産環境工学科バイオロボティクス研究室の佐々木豊先生に何度かご相談した際、先生が、食品ロスを減らすために食品残渣を昆虫に与える研究をしていることを知りました。

 

今でこそ昆虫食はメディアでも取り上げられて注目されていますが、当時はまだほとんど知られておらず、とても斬新なアイデアだと思いました。そして100年先の未来を見越して食・農業問題に取り組んでいる佐々木先生の考え方に感銘を受け、先生のもとで昆虫食を研究したいと思うようになったのです。

 

佐々木先生の研究室ではSociety5.0以降の社会を視野に入れて、学生ベンチャーも推進しています。自分も、起業したほうがより現実社会に即した形で効率よく研究を進められると考え、3年生の4月に「株式会社うつせみテクノ」を設立しました。現在は、研究室では昆虫の餌の開発や、AI・ロボティクスを用いた昆虫の大量飼育方法の開発を行い、「うつせみテクノ」では研究室での成果を生かし食用昆虫の生産と商品化、販売を行っています。

 

将来は研究者を目指していますが、そのためには他とは違った視点を持って研究に取り組むことが必要です。起業して学外でも様々な人と関わって新しい視点を得ることは、研究者を目指す上でも大きなプラスになると考えています。

 

 

 

農大には素晴らしい出会いとやりたいことを実現できる土壌がある

私は当初、別の大学の工学部で、ロボティクスを専攻していました。高校生の時は生物が得意で、大学でも生物関連の学部に進もうと考えていましたが、尊敬する先生から、「生物だけではなく化学や物理などの様々な要素を同時に学んでいかないと、未来を変えるような新しいアイデアは生まれない」というお話を聞き、以前から興味のあった分野であり、生物、化学、物理などの分野が重なり合っている「ロボティクス」を学べる大学に進学しました。

 

その後、些細なきっかけで農林水産省のホームページを見て「スマート農業」の存在を知り、まさに自分の求めていた、生物と工学を融合させた分野だと感じ、これを専門的にやりたい! と思いました。

 

そして食・農業と工学の両方を学べる大学はないかと調べていると、東京農業大学の生産環境工学科のバイオロボティクス研究室が目に留まり、日本で数少ない農業機械に特化した研究を行っていることを知りました。そのときは農大でタイミングよく転入学入試が新設された年で、2年次から農大へ転入することができたのです。

 

農大に進路変更して良かったことは、数えきれないほどあります。何より良かったのは、素晴らしい先生方や多くの友人と出会えたことです。

 

バイオロボティクス研究室の佐々木豊先生と出会ってからは、人生がさらに楽しくなりました。先生の考え方や研究内容、人生、話し方などのすべてが、私の生きる上でのお手本となっています。先生となら、世界を豊かに変えていくことも可能だと本気で思え、そのような素敵な出会いを得ることができて、本当に幸せだと感じています。

 

また、「うつせみテクノ」では主要メンバー(社員)に加え、サポーター(うつテクサポーター)として30名ほどの農大生や他大生にも参加していただいています。皆さん、多様性を受け入れる姿勢を備え、社会問題に対して高い関心を持って主体的に活動している方々で、とても良い刺激をいただいています。

 

部活動は、農業を経済的な観点から研究する「農村調査部」に所属し、全国各地の農家さんのもとで農業実習もさせていただきました。先輩や同期、後輩や農家さんとの出会いにも恵まれて充実した時間を過ごすことができ、そうした方々とは、引退した今でも繋がっています。学園祭のときには、農大名物「大根踊り」を部活のみんなと一緒に踊ったことも、いい思い出です(笑)。

 

私は、農大の「実学主義」という言葉が好きです。農大に入ってから、現場に足を運んで得たアイデアや課題を、机上の学びで補う習慣が身についたのと同時に、積極的かつ主体的に動くことができるようにもなりました。

 

これから大学に進学する皆さんへ、受験勉強は大変だと思いますが、農大でなら、手や体を実際に動かしながら、自分のやりたいことを実現していけると思います。昆虫食に興味がある方は、ぜひ一緒に活動していただけたら、うれしいですね。農大で、お待ちしています!

 

・研究室では、食用に向く、フタホシコオロギとヨーロッパイエコオロギの2種類を育てています。

・「うつせみテクノ」では、コオロギ以外の昆虫を用いた商品開発も行っています。

・「うつせみテクノ」は、仲間と力を合わせながら運営しています。メンバーはみんな優秀で、どんなことも相談できて、とても心強いです。

Profile

秋山 大知

地域環境科学部 生産環境工学科
バイオロボティクス研究室
株式会社うつせみテクノ代表
(2022年3月卒業)

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