在学生のSTORY

生命科学部 分子生命化学科
分子設計学研究室

久保山 恵未 さん

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生命科学部 分子生命化学科
分子設計学研究室

久保山 恵未 さん

Tokyo Nodai Story
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選んだすべての活動を全力で頑張ることができ、 小さな成功体験の積み重ねが自信につながった

女王アリが放つ化学物質(女王物質)の研究に取り組む

学部3年生の時に、様々な生物が作り出す化合物が別の生物に作用する働きについて学び、フェロモンに興味をもったのが研究を始めたきっかけです。今は分子設計学研究室に所属し、「アリの女王物質の探索とその社会性維持機構の解明を目的とした、他大学との共同プロジェクト」に携わっています。

 

アリは集団を形成して分業を行う、いわゆる社会性昆虫の一種であり、女王アリと働きアリが分業することで、効率的な社会を形成しています。実際、女王アリと働きアリは、ともに卵巣をもったメスでありながら、女王アリだけが繁殖活動を行い、働きアリは基本的に繁殖せず、採餌(さいじ)や幼虫の世話をすることがわかっています。そしてこの仕組みには、女王アリの体表から分泌される化学物質(女王物質)が、大きく関与していると考えられています。現在、アリの女王物質の構造はいくつかの種で推定されていますが、その大部分において化学合成は未だ達成されておらず、確定されていません。この研究では、候補化合物の全合成を達成し、他大学との共同研究で女王物質を特定し、フェロモンとしての効果を再現することを目指しています。

 

実験の流れとしては、フラスコに必要な試薬や溶媒などを入れ、反応の進み具合を観察します。その後化合物の生成が確認できたら、それを精製、分析し、目的の化合物であるかどうかを確認します。研究を始めた当初は、実験装置や分析機器に触れることがほぼ初めてだったので、慣れないことも多く、実験がスムーズに進捗しない日々が続きました。でも約1年過ぎた今では、実験操作に余裕が生まれ、反応が少しずつ進み、収率も向上したことで、手応えが実感できるようになってきました。一つずつ積み上げたものが目的の化合物にたどり着くことを信じて、これからも研究活動を頑張りたいと思っています。

 

 

 

等身大の自分で一番頑張れる場所が農大だった

私が所属している分子設計学研究室では、毎日思う存分、研究をさせていただいています。私のやりたいことを全面的に応援し、背中を押してくださる3人の先生、いつでも相談に乗ってくださり、積み上げてきた知識と経験から、的確なアドバイスをくださる院生の先輩方。そして毎日励まし合い、刺激をくれる同期の仲間たち。朝、研究室に入ると、今日も頑張ろう!と思える、そんな自慢の研究室であり、とても恵まれた環境だと感じています。

 

私は小学生の頃から、理科の先生になりたいという夢をもっていました。東京農大は理系分野に非常に強いため、研究に打ち込みながら、教職課程も履修できることが魅力のひとつでした。また私が選択した分子生命化学科は新設された学科であったため、新しいことが学べるとも思いました。入学後に化学の領域を学び始めると、医薬や農薬、香料などの化学業界で研究者として働きたいという目標も見え、自分の未来や視野が大きく広がった気がしています。

 

農大で過ごした日々を振り返ると、この4年間、本当に忙しく、充実した毎日を過ごせたと思っています。学科の勉強と研究室の活動、教職課程の履修と教育実習、さらには「よさこいサークル」の活動も頑張りました。このサークルには約100人が在籍しており、その人数でひとつの作品を作り上げていく過程がとても楽しく、全国各地のお祭りや大会へ出場したことも思い出深いです。入学してからこれまで、自分が選んだすべての活動を全力で頑張り、楽しみ、そして小さな成功体験を積み重ねることができました。その積み重ねが今の自信へつながっていて、「農大に進学して本当に良かった!」と胸を張って言うことができます。

 

さまざまな人と出会うなか、農大で過ごした素敵な時間が私を大きく成長させてくれました。そして背伸びしすぎず、等身大の自分で一番頑張れる場所がこの大学だと感じており、その思いをもって大学院へ進学することを決めました。私の決断をいつも応援してくれている家族にも感謝の気持ちでいっぱいです。これからも私らしく、私のペースで研究活動を頑張りたいと思っています。

 

・先生や仲間とディスカッションしながら研究に打ち込む。

・実験装置の扱いもこの1年で上達した実感がある!

・学科での勉強と研究活動を全力で頑張った4年間を誇りに思う。

・研究者になる夢と、理科の先生になる夢。二つの夢の実現が頑張りの原動力!

Profile

久保山 恵未

生命科学部 分子生命化学科
分子設計学研究室
(2022年3月卒業)

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