在学中も営業職となった現在も、魅力を「伝える」やりがいを感じています

国内留学の感覚で北海道へ
幼い頃から野菜が好きだった私。小学生のときに畑仕事のお手伝いをさせてもらって以来、農業に楽しさを感じてきました。中学・高校でもその気持ちが揺らぐことはなく、大学は大自然に囲まれた環境で学ぼうと決意。大学選びは北海道に絞り、“国内留学”の感覚で検討を進めました。そして、せっかく北海道に行くのなら、地域密着型の学びが充実している大学にしたいと考え、多様な産業に関われる自然資源経営学科に入学しました。
在学中で印象深いのは、多種多様な実習です。農家のお手伝いをする実習をはじめ、乗馬やカヤックを楽しむ観光コンテンツを学ぶ実習や、観光の一環でピザ作り体験ができる施設での実習などを経験しました。一次産業や地域活性化の取り組みに触れながら、地域資源を魅力的に発信する大切さや、魅力を把握するために現地に足を運ぶ大切さを学びました。さらには、学外で農業や水産業、酪農に関わる機会も多く、ホタテ加工や牛の乳搾りなど、北海道ならではのアルバイトも経験できました。
研究室では、農業に女性を取り込む方法について卒業論文にまとめました。きっかけは、一次産業の実習で生産者の声を聞いたことです。北海道では代々受け継がれている農家が多く、主に男性が農作業を行い、奥さんがサポートする構造が、女性としての農業への関わり方でした。ただ、私はもっと女性の活躍の場が増えてほしい、もっと女性も農業に参画した方がいいと考え、“なりたい職業”として農業が挙げられるようにしたいと考えました。そのためには、地域における支援の拡充も必要ですし、どうしても農作業は重労働になりがちなため、女性でも使いこなせる農業機械の開発への期待もありました。こうした要素をまとめた上で、農業を魅力的に伝える方法を模索したのです。

自分がしたいことと求められていることを整理する大切さを実感
卒業論文で「伝える方法」を模索する以前に、先生に依頼されてオホーツクキャンパスのPR動画を制作する機会もありました。ただ、それを先生にチェックしてもらったところ、直接的なPRにつながらない内容や、誤解を招きかねない内容になっていることを指摘されました。自分がしたいことと求められていることの違いを痛感しましたが、そのおかげで一度立ち止まって冷静に考え直す大切さを認識。この経験は社会人となった現在も役立っていて、相手が求めていることをきちんと分析し、それに対する答えを出すようにしています。
では、私がどんな社会人を目指したかといえば、入学当初から将来は生産者に近い環境で生産者を支える仕事に興味がありました。そして、学内外での経験をとおして「伝える」仕事がしたいと考えるようになり、具体的な職種として最初に思い浮かんだのが現在の営業職でした。
もともと人と話すことは好きで、在学中は幅広い年齢層の人と交流。高齢の漁師の方や農家の方などとも、日々コミュニケーションを重ねました。また、現地での農業や水産業のアルバイトは、季節限定の短期間のものばかり。「また仕事を任せたい」と思ってもらい、次のシーズンも呼んでもらうためには、何よりもコミュニケーションをとおした信頼関係や、人として好かれることが大切だと感じました。その中で、自分はコミュニケーション能力が強みだと思えるようになり、それを活かせるのが営業職だと考えたのです。

ゼロからでもとりあえずやってみよう
私は現在、営業職として複数の店舗を展開するスーパーを1人で担当しています。取り引き上は間に卸し業者が入りますが、商談はスーパーのバイヤーと直接行います。商談では新商品の案内はもちろんのこと、お菓子メーカーとのコラボレーション企画の提案なども行います。具体的には、コーヒーとクッキーのセット購入を促す売り場づくりを提案するなど、高い自由度で営業活動ができる点にやりがいがあります。
また、在学中に自分の目で見て地域特性を把握した経験を活かして、仕事でも可能な限り取引先の店舗やその周辺エリアに通うようにしています。その結果分かったのは、担当地域には農家が多いエリアもあり、需要が大きいのは、農作業の合間に手軽に飲める缶コーヒーだということです。ただ、当社には缶コーヒーがありませんので、自社商品を飲んでいただくにはどうすればいいかを考え、自宅から持参できるマイボトルの普及にも力を入れています。今後はボトルメーカーとのコラボレーションなども展開したいですし、ゼロから新しい仕掛けを考えていける点にも営業職の楽しさがあります。

各店舗の立地や地域性などを考慮して、個別におすすめの商品を提案しています。
思い起こせば、在学中も「ゼロからでもとりあえずやってみよう」という雰囲気でした。周囲もチャレンジ精神が旺盛な学生ばかり。そもそも北海道に来ること自体が大きな挑戦だと思いますし、先生方も挑戦する学生の背中を押す文化があり、私も新しいことにチャレンジし続けた4年間でした。
現在は営業を通してコーヒーの魅力を発信していますが、私はこの会社自体に魅力を感じて入社しました。実は私、ブラックコーヒーが好きではなく、面接でも「ブラックコーヒーは苦手」と正直に伝えたのですが、苦手だからこそできる発信方法があるということで、次のステップに進むことができたのです。だからこそ将来は、広報業務などをとおして、柔軟に人を大切にする自社の魅力を広く発信する新たな業務にもチャレンジできればと思っています。

思い出深い第二のふるさと。網走・オホーツクキャンパス
オホーツクキャンパスは、ほとんどの学生が一人暮らしのため、「生きる力」が養われます。一人暮らしとなれば、誰もが多少なりとも寂しさを経験するもの。それゆえ上級生が1年生をサポートする伝統が根づいていることも魅力です。私も同じバイト先の後輩の送り迎えをしたり、天気が悪い日は車で一緒にスーパーまで買い物に行ったりと、家族同然の関係性でした。マイカーがある学生もない学生もいますが、そこは助け合い。冬は雪道になりますので、運転技術も磨かれます。
また、私が一人暮らしをしていたマンションでは、10部屋の全員が農大生。食べ物をおすそわけし合ったり、全員で鍋パーティーをしたりと、プライベートも楽しく過ごせました。思い出深いオホーツクキャンパスには、就職後も時間を見つけては“里帰り”していますし、この先も社会人として成長した姿を見せに行きたいですね。
北海道は観光スポットも豊富。在学中は友達とキャンプをしながら、道内にあるすべての道の駅めぐりしたこともありました。




Profile
池上 真央
味の素AGF株式会社
東京支社第三営業グループ
2023年3月 生物産業学部 自然資源経営学科卒業
神奈川県 県立 鶴嶺高等学校出身